細胞マーカーを使って血中循環腫瘍細胞を捕捉する

自動CTC捕捉装置 ポリマーCTCチップ
 

背景

血中循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell:CTC)は、体内にできたがん組織から血液中に侵入し、血流にのって全身を循環する癌細胞です。CTCは、がんの主な死因である遠隔転移を引き起こし、さらに最近の研究からはがん発生の初期から存在することが分かっており、がんの治療や診断において注目されています。
がん医療におけるCTCの利用については、はじめその血中濃度が注目されました。CTC血中濃度が低いと、予後が良く、治療が効いている(腫瘍の大きさと相関するなど)ことが示されており、がん治療のモニタリングに応用する研究などが進められています。また近年、国が推進する「がんゲノム医療」 においては、患者さんに少ない負担で繰り返しがんの遺伝子解析を行うためのソースとして、CTCを利用する研究が進められています。同時に多数の遺伝子を分析するパネル検査でも、細胞であればすべての遺伝子がパッケージ化されており、CTCは非常に期待されています。
しかし一方で、CTCは現状ではがん医療で容易に利用できる状況にはありません。これは血中濃度が極めて低いこと(1mL中に数個の場合もある)やがんの複雑さ(heterogeneity等)などのために、検出や単離が非常に難しいことに由来します。

ポリマーCTCチップ、自動CTC捕捉装置はこのような現状を打開し、CTCをがん医療で利用できるようするための基盤づくりを目指して開発されました。


ポリマーCTCチップ

CTCチップは抗原・抗体反応およびマイクロ流体デバイス技術を組み合わせた、CTCを捕捉するチップ状のデバイスです。ポリマー素材で製作することにより、コストを抑えながら透明性・取扱いの容易さ、反応性の良さを実現しました。

 

仕様
品名:ポリマーCTCチップ
寸法:75mm×25mm×1mm
重量:約5g
発送単位:25枚から発送可能

ポリマーCTCチップ 動画

 


自動CTC捕捉装置

特徴
ポリマーCTCチップに検体、洗浄液、試薬、抗体などを供給。 CTCの捕捉、細胞染色までを自動で行います。
作業時間の短縮、無人ですべての検査を終えることが可能です。
従来、CTCの細胞検査は人手がかかっていましたが、作業負担の軽減を図ります。

仕様
品名:自動CTC捕捉装置
寸法:57cm×61cm×45cm (PCを除く)
重量:約25kg
電源:AC100V 3口必要

 
自動CTC捕捉装置 動画

 


臨床応用例

病期、予後への応用
CTC血中濃度が病期と共に増加すること、さらに予後予測に適用できることは、既に多くの研究により示されています。
がんマーカーへの応用
CTCはそれ自体ががんであり、がんマーカーとしての利用が考えられます。
がん治療モニタリングへの応用
乳がんの化学療法によるCTC減少、休薬に伴うCTC増加、抗がん剤の変更によるCTC減少が確認されました。
細胞マーカー解析への応用
大腸がんのCTCの一部において、幹細胞マーカーとして知られてるCD133陽性である細胞が確認されました。
治療の安全性評価
大腸ステント療法などの腫瘍組織に機械的圧迫を加える療法において治療前後のCTC濃度を測定し、安全性を評価しました。

遺伝子解析への応用
CTCには全ての遺伝子がパッケージ化されていることから、がんゲノムなどのパネル検査にCTCは効率的に使用できます。


外部リンク集

国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/genomic_medicine/genmed02.html

Liquid Biopsy 研究会
https://muraa9.wixsite.com/liquidbiopsy

CTC臨床応用研究会
https://www.facebook.com/circulating.tumor.cells/

富山県中小企業リバイバル補助金活用事業(令和3年7月7日作成)